高校まで北海道の公立高校、大学受験で都内の大学へ。
大学院卒業後、専門の化学を生かし、現在は神奈川の化学メーカーで半導体材料や光学材料の研究に従事していらっしゃるかたの退学受験のエピソードです。
冗談のつもりの志望校の欄に「東京大学」
地元が北海道の公立高校でしたので、当時の志望校は北海道大学でした。
高校2年生の終わりごろ、東京大学を目指していた優秀な同級生がいて、その人に「お前も東大って書いてみろよ」とそそのかされて、冗談で模試の志望校欄に「東京大学」と書きました。
そうしたら、そういう時に限って模試が絶好調。
優秀者一覧に志望校と名前が載ってしまいました。
先生や同級生に「お、東京大学を目指いているのか!」と注目されてしまうと最後です。
今更冗談ですとも言えず、もう後に引けなくなり、とりあえず、東大受験を目指して勉強することにしました。
正直、あまり自信がなかったので、滑り止めに私立をたくさん受け、金銭的には大分無駄にしてしまいました。
理系でも国語が必須科目
東大は、理系でも二次試験で国語があります。
数学や理科など、学校では得意な科目でさえ、入試問題は難しく、勉強することはたくさんあります。
それに加え、苦手な国語をどうするか、というのが一番の問題でした。
私は、国語の勉強は、まずはセンター試験の勉強を中心に行いました。
そのポイントは、「文章を正確にしっかり読める読解力をつける」ことでした。
国語が苦手な人は、文章を読めているつもりでも、実は勘違いしていたり、大事なところを分かっているふりをしていたり、内容を自分の言葉でかみ砕いて説明することができない、という特徴があります。
そこで、私は、選択式のセンター試験型の問題集を使って、現代文の読解の訓練を繰り返しました。
具体的には、「選択肢から答えを選ぶときに、その理由を説明できるまで本文を読みこむこと」を徹底的にやりました。
選択式の問題は、正しい選択肢を選べたら満足してしまいがちですが、それではたまたま運よく当たっただけかもしれません。
私は、選んだ選択肢の根拠が本文中のどこに書いてあるか、選ばなかった選択肢のどこが間違っているのか、それが解説通りに指摘できるようになるまで、いろんな問題を何回も読み直しました。
このトレーニングをして、苦手な国語を克服しました。
東京大学に合格
一番良かったことは、センター試験が絶好調だったおかげで、二次試験で多少周りよりもできなくても、十分合格圏内に入れたことです。
特に上で述べた国語の勉強は絶大な効果で、自分でもびっくりの国語満点をとることができました。
得意なはずの数学や英語でも、満点は取れなかったので、国語満点は驚きでした。
二次試験の国語も、決してできた方ではなかったかもしれませんが、及第点に届くレベルには点を取ることができました。
受験生へメッセージ
私は、早稲田大と東大を受験したのですが、少なくとも高校3年生の受験生になるまでは、大学入試の問題よりも、教科書の問題や学校の問題集を一生懸命やりました。
志望の高い受験生の中には、はやく難しい問題を!と焦ってしまう人も居ますが、勉強は基礎が一番大事です。
教科書や学校の基礎問題集は、とにかく基礎が網羅されているのです。
応用問題は、それらの基礎的な問題の組み合わせなので、基礎がしっかりしていれば、できるようになります。
でも、応用問題ばかりやっていると、基礎的な知識が整理されないままになり、知識が穴だらけになってしまいます。